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【読書】「ケインズと株式投資」―カネ稼ぎしたい!―

ケインズと株式投資

概要
 
 ケインズ経済学で知られるジョン・メイナード・ケインズの投資家としての側面にスポットを当てた本。彼が個人資産だけでなく大学や企業の基金運用を任された事で得た経験が投資方法にどんな影響を与えたか、その運用成績とともに解説していく。

 

感想

 以前どこかでケインズ経済学を研究してもアメリカでは評価されないと聞いたことがある。世界恐慌時にアメリカが行った「ニューディール政策」を筆頭にWWⅡからしばらくはケインジアンが持て囃され、いわゆる「大きな政府」が台頭していた時代もあった。しかし不況のたびに景気対策として多大な出費を迫られる「大きな政府」は次第に膨大な借金を背負うようになり、それがケインジアンの弱点として糾弾され、各国は「小さな政府」を目指し始めたのだ。

 私のケインズに対する知識は基本こんなものであるのだが、今回の「ケインズ株式投資」と「大いなる探求」という本を読んだことで、もうちょい知ったかができるようになった。
 「大いなる探求」はケインズをはじめ、マルクスハイエクなど数々の経済学者たちを解説した本だが、お硬い学説本ではなく、彼らの実生活や時代をドラマチックに描いた作品であり、もはや「ゴシップでは?」と思わせる人物像の描写が面白い一冊だ。

 「ケインズ株式投資」はその名の通りケインズの投資家としての側面に特化した一品となっている。
 ケインズに関する本を読み、共通して描かれるのはその旺盛な好奇心と精力的な活動だ。ケインズ経済学を生み出した経済学の大家でありながら学生時代からスポーツや討論、ギャンブルに打ち込み、しかもそれは一過性ではなく生涯にわたって続いた。また芸術にも造詣が深く美術品の収集も手掛けていた。
 ケインズ経済学の特徴は非常に実践的だということだ。それは役人として活動や今回の主題である投資家としての経験が糧となっているのは間違いない。しかも大蔵省首席代表としてWW1での対独賠償要求の引き下げを主張したり、投資家としては個人資産だけでなく企業や大学の基金さえ運用し、しかも高い利回りを長期にわたって維持し続けたとのことで、分野ごとに優れた業績を上げているのだ。
 そうした縦横無尽の活躍はケインズのアニマルスピリット(血気盛ん)にある。彼の血気は彼の体力を奪いつくすほどのものだったようで、62歳で亡くなったケインズの葬式には両親がそろって参列した。

 ケインズの両親はそろってアカデミックな人であったらしく、父親もまた経済学者であった。ケインズは早熟な少年であり小学生あたりの年齢ですでに「利子」について説明ができたという。生涯にわたって衰えなかった学習・研究意欲は、豊富な経済知識と、それを現実の社会に応用できる能力を培ったのだ。
 それは投資に必要な様々な能力のひとつである。経済学を学んだとて、大半の人がテスト勉強で終わっているわけだが、それを材料に創意工夫を凝らし現実世界で生かさなければ意味がない。

 投資する際の判断材料は無限にある。株式市場の動向、企業業績、景気循環金利、物価、政治……、絶対に損しない投資をするために勉強しようとすれば、何時までたっても…寿命を迎えても投資の準備が終わらない。
 そんな投資の場においてケインズの運用成績は非常に高水準を維持していた。彼の投資法を学べば、時間をだいぶ節約できるのではないか。しかし現在、株式投資において生き神様のような人物がいる。ウォーレン・バフェットだ。ケインズとバフェット、どちらの投資法を参考にすればいいか。

 実をいうと、二人の投資術はだいぶ共通した方法と取っているというのだ。
 要約して言うと「正しい投資手法は、その経営内容を理解し、経営陣や信頼できる企業にまとまった額を投資すること」

 この「ケインズ株式投資」は読みやすい本だ。同じ内容を何度か繰り返すので、読み飛ばしがちな人でも内容が記憶に入りやすい。株式投資をしようかと思っているけど、何を準備すればいいかわからない人はひとまず読んでみるのもいいかもしれない。

 

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